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<nowiki>'''武者ガンダム'''(むしゃガンダム、'''武者頑駄無''')とは、和風の鎧姿をした[[ガンダムタイプ]]の[[モビルスーツ]]あるいは生命体の個体名、総称、及びそれらを中心とする玩具シリーズ、漫画作品の総称である。元来は最初に漫画に描かれた'''武者ガンダム単体の機体名'''であったが、一般的には[[SDガンダム]]における「SD戦国伝」シリーズとその後継、またそれらの登場キャラクターの総称として使われる。
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'''武者ガンダム'''(むしゃガンダム、'''武者頑駄無''')とは、和風の鎧姿をした[[ガンダムタイプ]]の[[モビルスーツ]]あるいは生命体の個体名、総称、及びそれらを中心とする玩具シリーズ、漫画作品の総称である。元来は最初に漫画に描かれた'''武者ガンダム単体の機体名'''であったが、一般的には[[SDガンダム]]における「SD戦国伝」シリーズとその後継、またそれらの登場キャラクターの総称として使われる。
  
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==

2020年1月13日 (月) 21:38時点における最新版

武者ガンダム(むしゃガンダム、武者頑駄無)とは、和風の鎧姿をしたガンダムタイプモビルスーツあるいは生命体の個体名、総称、及びそれらを中心とする玩具シリーズ、漫画作品の総称である。元来は最初に漫画に描かれた武者ガンダム単体の機体名であったが、一般的にはSDガンダムにおける「SD戦国伝」シリーズとその後継、またそれらの登場キャラクターの総称として使われる。

概要[編集]

一般にガンダムシリーズの作品群のうち、鎧武者姿のガンダム及びこれらが主人公を務めるシリーズを称して武者ガンダムと呼ぶ。特に等身が小さくデフォルメ(スーパー・デフォルメ: SD)されている「SDガンダム」シリーズにおけるものが一般的である。多くのシリーズの舞台設定が日本の戦国時代を意識したものとなっているため、個体名には外国語を思わせるカタカナ表記を避け武者頑駄無(むしゃがんだむ)と漢字で表記することが多い。

「ムシャジェネレーション」と一部シリーズに登場する「鉄機武者」を除き、SD武者ガンダムシリーズでの武者は機械(ロボット)ではなくあくまで意志を持つ一個の生命体として描かれており、種族個体として人間と多少の差異はあれど、ほぼ同様に成長していく。擬人化ならぬ〈人間の擬ガンダム化〉というべき解釈の余地が設けられているのも他のSDガンダムシリーズとは異なる特徴である。

武者ガンダムの展開[編集]

SD以前[編集]

武者ガンダムの初出は、漫画『プラモ狂四郎』(原作クラフト団・作画やまと虹一)である(「コミックボンボン1985年6月号掲載)。この時の呼称は「武者ガンダム」で、SDではなく人型の体型をしたデザインであった。作中では主人公の四郎が、茂合岩男との決戦のためにオリジナルデザイン・スクラッチビルドした1/144スケールの模型という設定である。

ガンダムに戦国時代の武者をモチーフに鎧兜や刀などを装備させた斬新なデザインが好評を博した。この発想は元来サンライズ製作のロボットアニメが『無敵超人ザンボット3』『無敵鋼人ダイターン3』『機動戦士ガンダム』と代々主役メカのデザインモチーフを日本の武者に求めてきた伝統に由来する。ラフデザインはクラフト団代表の安井尚志によるもので、クリンナップはやまと虹一とされる[1](このため後述の経緯でSD化された後でも、安井・やまと作品を元デザインとする武者ガンダムには企画原案として安井とやまとの名がクレジットされている)。この後に作中には「武者ガンダムMk-II」「武者Ζガンダム」などの発展型モデルが登場する事等から、単純に初代ガンダム(RX-78-2)に鎧武者の格好をさせたものと思われがちだが、実際には各部のディテールにはガンダムMk-IIの意匠も混在するものとなっており、SD戦国伝以降に定着した「特定のモビルスーツの武者バージョン」という単純な解釈には収まらない『武者ガンダム』という機体として独立している。

武者ガンダムMk-IIのデザインはときた洸一[1]。武者ガンダムMk-IIの名は「『武者ガンダム』の後継機」という意味合いを『機動戦士Ζガンダム』の命名基準に準じて「Mk-II」と表現したもので、モビルスーツとしてのガンダムMk-IIの意匠は各部に盛り込まれているものの(初代武者ガンダムにもそもそもガンダムMk-IIの要素が含まれるのは前述の通りである)、フェイスはガンダムMk-IIの後継機であるΖガンダム風の意匠が採用されている。

さらに後に登場する武者Ζガンダムのデザインはやまと虹一[2]。全体のモチーフこそΖガンダムが基にはなっているが、特徴であったウェイブライダー変形機構やフライングアーマーを廃し、騎馬サポートメカとのドッキングという独自の特徴を有しており、脚部の意匠はRX-78のものがほぼそのまま流用されている。このドッキング機構「ケンタウロススペシャル」は安井尚志の原作で指定されていた設定であり、デザインされる際には武者ガンダムとしてやや異例な西洋甲冑のイメージも採り入れられている。

なお、初代武者ガンダムに関しては続編『新プラモ狂四郎』でも再登場を果たしている。さらに、これらのデザインはSDアレンジを加えて最初期のSD武者ガンダムシリーズに流用された為、上記のような「武者頑駄無摩亜屈(ムシャガンダムマークツー)」のフェイスはΖガンダム風の所謂〈ゼータ顔〉をしている、あるいは「武者精太頑駄無(ムシャゼータガンダム)」の脚がRX-78の意匠を採用しているなどの特徴はそのまま残っている。

SD以後[編集]

武者ガンダムは『プラモ狂四郎』完結後もファンの間で根強い人気を保っており、これを受けて1987年ガシャポンガシャポン戦士スーパーディフォルメガンダムワールド」MK13『武者ガンダム』、および1988年のプラモデルSDガンダム BB戦士No.17『ムシャガンダム』、元祖SDガンダムNo.14『武者精太』としての立体化、また1987年のファミコンソフト『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』でのボスキャラクターとしての採用、1988年のカードダス「SDガンダムワールド」パート4での「武者ガンダムMk-II』(127)の登場等をそれぞれの契機として、SD体型での商品展開が行なわれることとなった。特にBB戦士版武者ガンダムは好評を博し、以後次々と武者タイプのモビルスーツが立体化されていく。

これと前後して最初の武者ガンダムのストーリーライン「SD戦国伝」が生まれているが、この成り立ちはプラモデルシリーズ「SDガンダム BB戦士」の組立説明書に掲載されていた漫画『コミックワールド』(MARSHIこと今石進作)を端緒とする。実質上のSD戦国伝第1話と言えるBB戦士No.17『ムシャガンダム』における『コミックワールド』第11話「七人の頑駄無」は本来、今石が後の展開を意識せず即興的に描いたものであったが、この設定が原型となり以後のBB戦士「武者七人衆編」シリーズが展開することとなった。ガンダムに「頑駄無」の字をあてたのも今石の発案である[1]。『コミックワールド』でも武者ガンダムをモチーフとしたストーリーは「武者七人衆編」と題されて連載形式となり、ここから今石のデザインとともに新たな設定が生まれ新商品に繋がるというサイクルが自然発生的に生まれている(例えばBB戦士No.42として発売される『殺駆三兄弟』の初出はBB戦士No.21『武者精太』付属の『コミックワールド』第17話である)。

同時期、BB戦士のデザインクリンナップを担当した鳥山劣こと横井孝二もコミックボンボン誌上での連載ギャグ漫画『元祖! SDガンダム』(プラモデルのタイアップ作品である)に武者ガンダムを積極的に描きキャラクター性を拡げていった。しかしこうした現場では『コミックワールド』を描く今石と『元祖! SDガンダム』を描く横井の間に連携はなく、互いに無計画に展開を進めていたという[1]

こうした一種場当たり的なキャラクター展開が進む一方、BB戦士の販売元バンダイはそれまでと将来の商品展開を総括して整合性のあるストーリーラインに纏めるために、コミックボンボン誌と連携し「SD戦国伝」と題したタイアップ企画を展開する(1989年6月号より)。これらは主にボンボン誌上のグラビア・特集記事の形でイラストやプラモデルの写真と文字情報を中心に構成されており、文芸設定はレイアップ平松昭彦が担当した[1]。この新設定によって武者ガンダムのみならずそのシリーズ展開自体に物語性が付与され、SDガンダムというジャンルの中から「武者ガンダム」というジャンルが独立していった。

またコミックボンボン誌上ではSD戦国伝のストーリーラインと平行して、プラモデル(BB戦士)としてのSDガンダムを主な題材にした漫画『超戦士ガンダム野郎(ハイパー戦士ガンダムボーイ)』(原作クラフト団・作画やまと虹一、1989年1月号より)も連載されている。主人公天地大河(あまち・たいが)の愛用したオリジナル武者ガンダム「天地大河スペシャル」がBB戦士シリーズで『農丸頑駄無 天地大河スペシャル』として発売され、SD戦国伝の世界観の中でも農丸頑駄無のデザインに流用されたことに顕著なように、『超戦士ガンダム野郎』とBB戦士シリーズでも密接なタイアップ展開が行なわれた(こうした漫画発の商品展開への流用は横井孝二の『元祖! SDガンダム』でも同様であるが、漫画の性質上BB戦士と「SD戦国伝」シリーズへの流入は行なわれなかった。他に、BB戦士の改造作例紹介記事『G研』や、読者公募によるオリジナルSD武者ガンダムがカードダスやガシャポンに多くフィードバックされている)。

やまとは『超戦士ガンダム野郎』連載のかたわら、ムック『完全保存版 SD武者ガンダム全百科』(コミックボンボンスペシャル38・1989年)掲載の読み切り漫画『SD武者ガンダム風雲録』を経て、翌1990年デラックスボンボン」創刊とともに同名の連載『SD武者ガンダム風雲録』(原作・クラフト団)を執筆。『コミックワールド』が2ページ1話という性質上描ききれなかったSD戦国伝の物語を、文芸設定に合わせ長編ストーリーとして纏め上げた。また1989年、この連載に先行してOVAシリーズ『機動戦士SDガンダム』の映画版『機動戦士SDガンダムの逆襲』でもオリジナルストーリー「SD戦国伝 暴終空(あばおわくう)城の章」としてSD戦国伝の初のアニメ化が行なわれている。翌年1990年にはOVA『機動戦士SDガンダム』でもSD戦国伝のエピソードがアニメ化されている(第3巻・第5巻)。

SD戦国伝は「武者七人衆編」終了後も続編タイトルが次々と発表され、「SD戦国伝」3部作、続編「新SD戦国伝」4部作、「超SD戦国伝」3部作の全10章構成となり1999年に完結した(以後のシリーズ展開については#ムシャ戦記以降参照)。SD戦国伝シリーズ初期の主要なメカデザインは今石進が担当したが、後の「SD戦国伝 天下統一編」以降レイアップの寺島慎也がデザインに加わり、「新SD戦国伝 伝説の大将軍編」からは大半のメカデザインを寺島が行なっている。文芸設定を担当した平松昭彦は「武者七人衆編」以後、より密にSD戦国伝シリーズの文芸設定を担当。「新SD戦国伝 超機動大将軍」以降は平松に代わりレイアップの後輩栗原昌宏が主要なストーリーワークを務めている[1]。やまとによる漫画「SD武者ガンダム風雲録」シリーズは「新SD戦国伝 伝説の大将軍編」まで継続し、続編「新SD戦国伝 七人の超将軍編」以降は神田正宏が「新武者ガンダム」シリーズおよび「超武者ガンダム」シリーズとして漫画化を行なっている(原作・クラフト団)。

リアル武者[編集]

逆輸入というべき経緯であるが、SDに続いて八頭身の所謂リアル体型の武者ガンダムも商品化された。これらは多く元祖リアル体型の『プラモ狂四郎』版のデザインを踏襲せず、一部はSD戦国伝「武者七人衆編」の意匠に似せて再デザインされた。

プラモデルとしては1990年に発売された「モビルスーツ戦国伝」シリーズ(『武者頑駄無(ムシャガンダム)』『武者頑駄無摩亜屈(ムシャガンダムマークツー)』『武者仁宇頑駄無(ムシャニウガンダム)』の計3種)がある。プラモ狂四郎版「武者ガンダム」、「武者ガンダムMK-II」がそれぞれ「特定のモビルスーツに鎧武者風の格好をさせたもの」ではなかったのに対し、モビルスーツ戦国伝版「武者頑駄無」は大河原邦男によりノーマルガンダムをベースとしてSD戦国伝における「武者頑駄無」の甲冑に独自の意匠を加えて再デザインされた(このデザインは漫画『超戦士ガンダム野郎』で再度リファインを加えてSD化され「天地大河スペシャル」として登場し、後にSD戦国伝でも「農丸頑駄無」として採用される)[2]。またモビルスーツ戦国伝版「武者頑駄無摩亜屈」はプラモ狂四郎版のΖガンダムベースともSD戦国伝版の〈Ζ顔〉とも異なる、ガンダムMk-II準拠の意匠となっている。「武者仁宇頑駄無」はプラモ狂四郎に登場しないSD戦国伝由来の武者であるが、モビルスーツ戦国伝版ではこのデザインに大幅にアレンジを加え、ファンネルを肩当てとして解釈し、脚部に西洋的な曲面のラインを与えている。

モビルスーツ戦国伝の設定では武者ガンダムは(SDシリーズや漫画と異なり)巨大兵器として扱われる。付属する説明書には『機動戦士ガンダム』本編の物語を戦国時代風にアレンジしたストーリー解説が収められていた(例としてアムロ・レイならぬ「阿夢呂丸」が武者頑駄無に乗り込む設定となっている)。プラモデルとしては関節部のポリキャップをパーツ単位ではなく組立て済みの内部フレーム状に構成した「MSジョイント」機構(後のガンプラHGシリーズにおける「MSジョイント2」の前身)や金メッキパーツを採用した、当時としては画期的な構造のガンプラだったが、それが災いして現在まで再販されていない。

リアル体型のトイシリーズとしてはSD「ガンダムクロス」シリーズのスピンオフである「リアルタイプ武者頑駄無鎧(ムシャガンダムクロス)」シリーズ(『武者頑駄無摩亜屈(ムシャガンダムMK-II)』『武者精太頑駄無(ムシャゼータガンダム)』『武者駄舞留精太頑駄無(ムシャダブルゼータガンダム)』の計3種)が発売されている。これは発売元のバンダイが「聖闘士聖衣大系」で得たノウハウを応用したシリーズで、ノーマルなモビルスーツ姿の素体の上に鎧兜を取り付けることで武者姿に変化するという点が大きな新味であった。

リアルタイプ武者頑駄無鎧の素体は元来アニメ『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』初放映時に発売されていた1/100スケールの玩具「デラックス」(あるいは「perfect detailed super heavy version」、「ハイメタル」)シリーズ(それぞれ『デラックス・ガンダム・マークII』『デラックスΖガンダム』『デラックス・ガンダムΖΖ』)を流用し鎧の取り付け穴を空けたものであり、ラインナップが『Ζ』『ΖΖ』に偏っているのもそのためである。こうした経緯のためリアルタイプ武者頑駄無鎧では「武者精太頑駄無」「武者駄舞留精太頑駄無」ともにSD戦国伝の設定にある武者姿での変形は再現されておらず、代わりにモビルスーツ姿でのアニメ設定に沿った変形機構が残っている。

これ以降リアル体型の武者ガンダムはオリジナルシリーズとしてはしばらく現れていないが、SD戦国伝シリーズでは「新SD戦国伝 伝説の大将軍編」(1993年-1994年)における「紫電鬼」の登場を契機に、「新SD戦国伝_七人の超将軍編」での「機動武者大鋼」「覇道武者魔殺駆」以後、武者達の最終形態あるいは超越的な存在としてしばしばリアル体型の武者が登場することとなった(厳密にはこれよりはるか以前1989年に読み切り版『SD武者ガンダム風雲録』でやまと虹一が「暗黒武者」としてリアル体型の武者ドムを描いているが、これはやまとの独断による当時としては〈早すぎた〉アイデアで、世界観に合わないとして安井尚志から注意を受け、SD戦国伝の設定からは除外されている[1])。

一方、SDシリーズ以外の世界観に限るなら、リアル体型の武者ガンダムは一部のガレージキットを除き15年以上の間、マスプロダクトに登場することはなかった(カトキハジメによるイラストレーション・シリーズ『GUNDAM FIX』において1998年に「モビルスーツ戦国伝」版の武者ガンダムが描かれたのが数少ない例外である)。後2007年に発売されたプレイステーション3用ゲーム『ガンダム無双』において、チーフプロデューサー堀内美康バンダイナムコゲームス)の提案をもとに[3]、オリジナルモードのボスキャラクターとしてリアル体型の「武者ガンダム」が登場する(後に設定資料集『ガンダム無双アートワークス』やトレーディングカードゲームガンダムウォー』で「真(しん)武者ガンダム」という名が正式に与えられた)。2008年に発売予定のプレイステーション2用ゲーム『ガンダム無双 Special』においては、再度カトキハジメがデザインしティターンズカラーとなった「武者ガンダムMk-II」が「武者ガンダム」のパートナーとして登場する。

テンプレート:機動兵器

カトキハジメによる真武者ガンダムのデザインはノーマルガンダム(ガンダムVer.Ka)をモチーフにした赤・黒・白のカラーリングの武者姿という、「SD戦国伝」「モビルスーツ戦国伝」「武者烈伝」などのノーマルガンダムベースの武者ガンダムの基本デザインを踏襲しているが、肩当ての造形や甲冑の各部を走るパイプ状の意匠など、よりメカニックな解釈が多く織り込まれている点が特徴である。設定上はモビルスーツと同等のサイズを持つ謎の機動兵器とされており、パイロットを持たず自律機動するというSD版武者ガンダムに似た設定が与えられている。

同年2007年9月に発売された「GUNDAM FIX FIGURATION」版(『ガンダム無双』を原典としているが、名前は漢字で「真武者頑駄無」となっている)では、コンバーティブルモデルとして「モビルスーツ戦国伝」版武者頑駄無のリファイン版(ガンダムVer.Kaをベースに各所のディテールアップが行なわれている)が公開されている。また、これよりやや早くバンプレストからプライズ商品「ガンダムシリーズ 騎馬武者伝 リアルタイプフィギュア」シリーズとして「武者頑駄無」「武者精太」がリリースされている。これはそれぞれ「モビルスーツ戦国伝」版武者頑駄無、「リアルタイプ武者頑駄無鎧」版武者精太頑駄無のデザインが原形となっており、新規デザインのアソート品「騎馬武者」と組み合わせて乗馬状態および合体したケンタウロス形態が再現できるのが特徴である。

ムシャ戦記以降[編集]

SDとしての武者ガンダムの代表格となった「SD戦国伝」完結後、この後釜としてSD戦国伝とは一歩距離を置いた新シリーズ「ムシャ戦記 光の変幻編」が開始された。

「ムシャ戦記」は物語上「SD戦国伝」シリーズの延長線上にあるが、大量のキャラクターによる複雑なサーガと化したSD戦国伝から時代背景を大きく移し、設定の簡素化が行なわれたものである。この姿勢は主人公ら新キャラクターが「武者ウイングゼロ」のように多く名前に漢字名を使わないことにも顕著である。

「ムシャ戦記」完結後2000年、さらに設定を一新した新シリーズ「SDガンダム ムシャジェネレーション」が開始される。このシリーズの世界観では武者ガンダムが生命体ではなく、人間が乗るメカとして描かれているのが従来との大きな違いである。この源流にはゲーム『SDガンダム GGENERATION』の存在があり、本シリーズはいわばこの「武者」版という位置付けであった。

「ムシャジェネレーション」完結の後に始まったシリーズが「SD頑駄無 武者○伝」である(2001年)。現代日本を主な舞台に人間キャラクターとSD武者がからむ大胆な設定と、従来と一線を画すコミカルな世界観が特徴であった。好評を得た「武者○伝」は続編2作を含む3部作となり、「SD戦国伝」以後では最も長寿のシリーズとなっている。

これと前後して2004年テレビアニメ作品『SDガンダムフォース』が放映されている。SDガンダムフォースはSDガンダム、騎士ガンダム、武者ガンダムが混在して登場する物語で、厳密な意味での武者ガンダム作品ではないがこれがテレビアニメでは初の武者ガンダムの登場となる。この作品は設定上でも「SD戦国伝」シリーズで知られる「天宮(アーク)」や「天地城」が登場するなど、BB戦士系SD武者ガンダムシリーズの設定と親和性が高い[4][5]

「武者○伝」3部作の後に開始されたシリーズ「SDガンダムフォース絵巻 武者烈伝」(2005年)は「SD戦国伝 武者七人衆編」のリメイク作品である。武者七人衆を大幅にリファインした「光の七人衆」を中心に、その息子達「烈火隊」を主人公として武者七人衆編の設定を整理・再構成しており、程度の差こそあれ同一時間軸上の物語として描かれていた従来のシリーズに対し、平行世界上の別個の物語という位置付けにある[6][5]。本編にあたるストーリーライン「武者烈伝 武化舞可編」と、ホビージャパン誌に連載された外伝的な前日譚「武者烈伝 零」との同時進行二部構成となっているのも大きな特徴である。

こうして様々に形を変えつつも連綿と続いたSD武者ガンダムシリーズは、2006年-2007年に展開した「武者番長風雲録」において一旦の終焉をみる。武者番長風雲録は「武者○伝」に続き再び現代日本を舞台とし、学校と番長の存在を主軸に構成された異色作である。この後継にあたるストーリーラインは「BB戦士三国伝」で、世界観の繋がりを暗に感じさせる描写こそあるものの「武者」の冠は持っておらず、実質的に武者番長風雲録がSD武者ガンダムシリーズ最後の作品となっている(2008年現在)。

他シリーズとのクロスオーバー[編集]

SD戦国伝・新SD戦国伝はSDガンダム外伝(騎士ガンダム)やSDコマンド戦記ガンドランダーとのクロスオーバーが行なわれており、これらの舞台は一つの惑星ないし同一次元に存在するという設定となっている。

  • SDガンダム外伝 ジークジオン編」の騎士ガンダムとサタンガンダムは「SD戦国伝 武者七人衆編」の頑駄無真悪参の善の心と悪の心が分裂した姿である[7]
  • SDコマンド戦記」のガンセイヴァーΖは〈過去の世界〉である天宮へタイムスリップし、「新SD戦国伝 伝説の大将軍編」で武者頑星刃(ムシャガンセイバー)として活躍した。
  • 「SDコマンド戦記」に登場したヤクザ集団「闇一族」の親分ザクトとその息子コザク・コンザク・シンザクは「SD戦国伝」の殺駆頭および殺駆三兄弟と同名。
  • SDガンダム外伝 円卓の騎士編」の麗騎士レッドウォーリアは、「新SD戦国伝 地上最強編」の赤龍頑駄無と顔見知りである[8]
  • 「SD戦国伝」シリーズと直接の関係は無いが「SDコマンド戦記」の海賊騎士キャプテンレッドは「SDガンダム外伝 円卓の騎士編」の麗騎士レッドウォーリアの子孫である。
  • 「新SD戦国伝 超機動大将軍編」の武者真紅主・武者鷺主は、それぞれ「SDコマンド戦記」のマゼラン大陸(誤解されがちであるが「SDコマンド戦記」の時代ではなく、武者頑駄無時代のマゼラン大陸) 、「SDガンダム外伝」のスダ・ドアカワールドからやって来た。武者冒流刀も「ガンドランダー」のガンドランド大陸出身である事を強く想起させる設定となっている[9]

また新SD戦国伝では宇宙世紀、ムシャジェネレーションでは正暦世界の延長線上にあるような演出もなされている。

元々が区分けの明文化されていない〈ごちゃ混ぜ〉の状況から分化していったSDガンダムの各シリーズはカードダス、漫画、雑誌、プラモデルなどで頻繁にクロスオーバーを行っているが、媒体によって微妙に設定が違ったり記述に矛盾が見られることもある。この点について文芸設定担当の栗林昌宏は、読者の想像力を喚起するため意図的に曖昧な設定を設けていると説明している[1]

シリーズ / 作品一覧[編集]

SD戦国伝シリーズ[編集]

SD戦国伝[編集]

  • SD戦国伝 武者七人衆編(1988年 - 1990年、プラモデル・文芸設定・漫画ほか)
  • SD戦国伝 暴終空城の章(1989年、アニメーション映画)
  • SD戦国伝 頭虫邸の忍者合戦 / SD戦国伝 天の巻 / SD戦国伝 地の巻 / SD戦国伝 真の巻 / SD戦国伝 理の巻 / SD戦国伝 頑駄無5人衆のもののけ退治(1990年、OVA)
  • SD戦国伝 天と地と(1990年、プラモデル・文芸設定・漫画ほか)
    • 番外的に扱われる特別編で、本編の公式設定と異なる「異説」として扱われる[10]。原則的に実在の戦国武将をモチーフとしないSD戦国伝において、唯一例外的に現実の武将がリンクする物語である。当時角川映画で公開されていた海音寺潮五郎原作の映画『天と地と』のパロディとなっており、「武者七人衆編」後、新頑駄無城「天地城」の完成祝賀奉納模擬合戦の最中、武者と精太にそれぞれ武田信玄上杉謙信の魂が乗り移り「信玄頑駄無」と「謙信頑駄無」に変身し大激闘を演じたというストーリーである。後に SDガンダムフォースに登場する頑駄無達の居城「天地城」の名はこの逸話に由来する。
  • SD戦国伝 風林火山編(1990年 - 1991年、プラモデル・文芸設定・漫画ほか)
  • SD戦国伝 天下統一編(1991年 - 1992年、プラモデル・文芸設定・漫画ほか)
  • SD戦国伝 天下泰平編(1993年、アニメーション映画)
    • 3本立て作品『機動戦士SDガンダムまつり』の1編で、天下統一編の後日譚。

新SD戦国伝[編集]

超SD戦国伝[編集]

ムシャ戦記[編集]

ムシャジェネレーション[編集]

武者○伝[編集]

武者烈伝[編集]

武者番長風雲録[編集]

派生シリーズ / 作品[編集]

関連作品[編集]

武者ガンダムを主人公としない、あるいは公式な文芸設定に則らないが、武者ガンダムの登場する重要な作品を記す。

SD戦国伝シリーズの地名一覧[編集]

SD戦国伝シリーズと同一世界とは公式に認められていない『SDガンダムフォース』等の関連作品はここでは扱わない(SDガンダムフォースの登場勢力も参照)。原則としてシリーズ別に時系列に沿って分類するが、後述する天宮(アーク)の列島に属さない異文化圏・異世界は別途に節を分けて記述する。これら各地名の詳細はそれぞれの記事内においても述べる(#SD戦国伝シリーズ参照)。

天宮の列島[編集]

天宮(アーク)
多くの物語の主要な舞台。厳密には武者頑駄無達の存在する弧状列島のうち一国の国名であるが、(「天下統一編」において列島の多くが天宮に統一された経緯もあって)列島そのもの、あるいは武者頑駄無世界全体の呼称としても扱われる。それぞれ~国という名称で呼ばれるが、無数の統治国家が集まっていた戦国時代(天下統一までの時代)を除き、地方を示す言葉として使われている(緋州之国(ピースのくに=ピース地方))。列島の形状は日本と酷使している。
伝説の大将軍編」の頃より、首都は破悪民我夢(バーミンガム)となった。当初は轟天頑駄無が、後に新生大将軍によって統治される。居城は烈帝城、そこに代々の大将軍が生活している。政治形態は明確では無いが、代々の大将軍によって統治されている。大将軍の地位は、世襲制であったり、血縁者が受け継いだり、大将軍家とまったく関係のない者が継いだりと、非常に曖昧なもので、現在までに三つまたは四つの大将軍家が存在する[11]。共通するのは、大将軍は天宮の最高権力者であり、結晶鳳凰に認められた武者である。
また、他国と国交があり、特に黒守暴穏島を中継点として交易のある影舞乱夢(エイブラム)と、赤流火穏(アルビオン)は互いに協力関係にあり、交換留学などが盛んに行われている。
天宮流の言葉は独特なもの(原作における地名やメカニック等の当て字)なので、かな読みを付属。


ムシャジェネレーションでの地名[編集]

「天下統一編」より遥か昔、神話時代以前に存在した。

月姫の国(ディアナひめのくに)
「ムシャジェネレーション」の主要な舞台。別名千年王国。
天主帝国
東方不敗によって建国された月姫の国の敵国。主城として黒帝城をもつ。

SD戦国伝での地名[編集]

国土全てを巻き込んだ大戦国時代での地名。四代目頑駄無大将軍による天下統一後、多くの国が合併しいつくかの新しい国となった。

彩土七(さいどせぶん)
「武者七人衆編」での武者頑駄無達の拠点であり、頑駄無城(初代)を擁する。南西に舞鳥峠(まいちょうとうげ)、西に犀の河原(さいのかわら)があり、東方の悪沈と敵対した。
月見ヶ原(つきみがはら)
「天下統一編」において西に頑駄無軍団、東に暗黒軍団をはさみ主戦場となった平野。南北にそれぞれ犀の河原龍鳴寺(りゅうめいじ)があり、北西・南西には千尋の谷(せんじんのたに)舞鳥峠をのぞむ土地で、四獣王と縁の深い場所である。後の月月の国(ルナツーのくに)[12]
悪沈(アクシズ)
「天下統一編」での玖辺麗(キュベレイ)を中心とする悪沈一族の本拠地。
汚泥砂(おでっさ)
海岸にある国。近隣に犀の川原がある。
愚羅灘(ぐらなだ)
「天下統一編」において悪無覇域夢山を有した国。
悪無覇域夢山(アナハイムさん)
月見ヶ原より東方に位置し、古くから合戦、修行場の名所として知られる休火山。しばしば暴虐の徒の根城として用いられる。また天宮の守護神・結晶鳳凰(クリスタルフェニックス)が眠る鳳凰の岩の置かれた地でもあり、後には地下に機動武者大鋼が秘匿される等、多くのエピソードで歴史の転換点となった。
空離舞巣(ぐりぷす)
詳細不明。
時隠の国(ジオンのくに)
「武者七人衆編」より以前、字音太君(ジオンダイクン)親政のもと、殺駆一族が治め、後に闇軍団の本拠地となった。
邪武楼(じゃぶろう)
千尋の谷がある国。
阻路門(ソロモン)
邪武楼の南方にある。「武者七人衆編」では「阻路門の乱」と呼ばれる大きな戦が起きている。
月月(むーんむーん)
彩土七の北方、阻路門の東方にある。
砕悪鋭(くあず)
「天下統一編」の後、空離舞巣と濁河流が併合して誕生した国。国は初代頑駄無大将軍が治め、鳳凰城を主城とした。
破射音(はいね)
「天下統一編」の後、愚羅灘と汚泥砂が併合した国。新頑駄無城がある。
覇道和(ばどわ)
「天下統一編」の後、邪武楼と阻路門が併合して生まれた国。天地城が待機している。
光炉波(ころな)
「天下統一編」の後、彩土七と月月、モミの木ヶ原が合併して生まれた。国主は四代目頑駄無大将軍。花見の名所、於雄得山(オオエやま)と麓の於雄得村(オオエむら)光神城がある。
新時隠
「天下統一編」の後、旧時隠の領地を中心に諸国(悪沈以外は不明)を合併した国。

新SD戦国伝での地名[編集]

破悪民我夢の街(バーミンガムのまち)
「伝説の大将軍編」以降クローズアップされた[12]、天宮の政治・経済の中心地。大将軍の城として烈帝城があり、その地下には魔界の扉が封じられている。街道の東と西の先にはそれぞれ金刃雷都の街と羅美安薔薇山(ラビアンローズさん)がある。
金刃雷都の町(キンバライトのまち)
東に魔流連山、北に不穏不乱峠(フォンブランとうげ)とその向こうには恵亜須の町をのぞむ交通の要所。
恵亜須の町(エアーズのまち)
天宮最大の港町であり、恵亜須の港(エアーズのみなと)は海外諸国との架け橋となっている。
魔流連山(マルレーンさん)
「伝説の大将軍編」において新生闇軍団が支配した。別名妖魔の森。麓には温泉と村を抱き、街道の東方は「天下統一編」の舞台となった月見ヶ原一帯から悪無覇域夢山へと続く。
不論帝悪村(フロンティアむら)
天宮の南端部、南西地方にある村。武者衛府弓銃一(ムシャエフキュウジュウイチ)の故郷であり、「地上最強編」の舞台のひとつ。後に天宮の中心地へと発展する。南に爆火炉忍亜山(バビロニアさん)とその麓の里武守村(サムスむら)がある。
爆火炉忍亜山(バビロニアさん)
南西海上の黒守暴穏島への通路が隠されている。
泥羅悪祟村
鈴宝守村(りーんほーすむら)
傘礼吏亜村(かされりあむら)
それぞれ詳細不明。
俄雲乱土(ガウンランド)
天宮の東北地方に位置する地域で、天宮中心地から見れば謎の多い未踏の地である。「超機動大将軍」では機動武者天鎧王がここで発見された。南には愚羽山(グワンざん)を抱き、そこから恵亜須の町までの西方に続く道程には狩主斗砦(カリストとりで)雷瀬留湖(ラッセルこ)がある。

超SD戦国伝での地名[編集]

緋州之国(ピースのくに)
「天星七人衆」の舞台。天宮の(列島の)一地方。東と南は海に面し、北部・西部に広がる大地については詳しい詳細は無い(天宮の地形は日本と形状が似ているため、公式発表されている緋州の地図を照らし合わせると日本海側で、山形・新潟・富山・石川何れかの箇所に該当する天宮の位置にある)。海岸地帯にはほぼ中央に刻津湖(ときつこ)があり、それを挟む形で西の山岳地帯大鵬高地と東の鏡山峠がある。東岸の友砂海峡は霧隠島に面し、島の南西岸と緋州の南東岸で潟波ヶ浜を形成している。
地方自治を行なう町単位・村単位の共同体という形になっており、国家単位を指導する組織は存在しない。
双子岳村(ふたごだけむら)
緋州の西のはずれにある村。天星七人衆のひとり武者頑駄無零壱(ムシャガンダムゼロワン)の育った地であり「天星七人衆」の物語の最初の舞台。
藤縞の街(ふじしまのまち)
剛心頑駄無が治める地方都市。双子岳村の東にあり、さらに東には大鵬高地をのぞむ。天星七人衆のひとり剛覇頑駄無の故郷であり、零壱が剣聖頑駄無に師事した場でもある。
九重村
大鵬高地に位置し、狩猟を主産業とする村。天星七人衆のひとり迅風頑駄無の故郷。
七天神社
刻津湖畔にある、七天星に縁の深い神社。天星七人衆のひとり爆熱頑駄無は神主・式守頑駄無の養子である。
鏡山峠(かがみやまとうげ)
近隣に高砂の街(たかさごのまち)を見下ろす高地。天星七人衆のひとり蒼雷頑駄無の居住地でもあった。
高砂の街(たかさごのまち)
鏡山峠を抜けて北方に通じる交通の要衝。天星七人衆のひとり紅蓮頑駄無が職人として働いていた地でもある。
立浪の街(たつなみのまち)
鏡山峠と潟波ヶ浜の間にある街。海からは刻津湖畔の定期船、陸からは高砂の街へ続く街道を持つ巨大な通運路であり、商業都市として大きな繁栄を得ている。
霧隠島(きりがくれじま)
魔天暗黒党の本拠地を持つ島。一年を通し暗雲が立ちこめ光の射さない不吉の地として知られた。

ムシャ戦記での地名[編集]

武者頑駄無の国(ムシャガンダムのくに)
「ムシャ戦記」における主要な舞台。「天星七人衆」より後の時代の一国であり、ファーストガンダム大将軍によって統治されている。

異国の地名[編集]

天宮からは独立した異文化圏の国家群を指す。作品内では総じて「異国」と呼ばれ、各国出身者は「異国武者」と称されている。

影舞乱夢の国(エイブラムのくに)
天宮とは海で隔てられた西の大陸の一国。天宮からは北西に位置し、同じ大陸の赤流火穏の国の北方に隣接して存在する。龍帝の血統によって治められる「地上最強編」の舞台のひとつ。天宮が守護神として鳳凰を祀るのに対し、龍を守護神として戴く。この地方の頑駄無族は、瞳が赤いという身体的特徴をもつ。一時黄虎賊(オウコゾク)による内乱状態となるが、白龍頑駄無らと義勇軍によって平定された。北に砂成の街、東岸には仏歩岬がある。
砂成の街(サナリィのまち)
黄虎賊の手から白龍頑駄無によって救われた街。
仏歩岬(ブッホみさき)
黄虎賊が本拠とした土地。
赤流火穏の国(アルビオンのくに)
天宮とは海で隔てられた西の大陸の一国。天宮から見れば南西に位置し、北方の影舞乱夢の国とは東西に伸びる無限山脈をはさんで隣接している。阿修羅頑駄無らの出身地であり、「地上最強編」の舞台のひとつ。天宮を守護する神が鳳凰であるのに対し、鬼舞虎(キマイラ)を戦神として信仰する。主城は南方の武里守勉城(ブリスベンじょう)。無限山脈と城の間には都臨屯の町がある。
都臨屯の町(トリントンのまち)
鐘馗頑駄無の出身地。
無限山脈(むげんさんみゃく)
南方の赤流火穏の国と北方の影舞乱夢の国との国境を隔てる山脈。南側には山中を貫く霊仙の洞窟(れいぜんのどうくつ)の入口がある。地理的には地続きである両国だが、この山脈により交通が分断され国交は乏しかった。
黒守暴穏島(クロスボーンとう)
天宮・赤流火穏・影舞乱夢の中心に浮かぶ孤島。謎の巨神像が中央でたたずんでいた。「地上最強編」の戦いの後に各国へ伸びる三本の道が海上に浮上したため、貿易の中継地点となっている。
その他の異国
上記の他に作中および設定において、特定の武者の出身地として設定される名称の明らかでない異国群。これらは多くSDガンダムの他作とのクロスオーバーであり、例として赤龍頑駄無は騎士ガンダムシリーズの舞台スダ・ドアカ・ワールドの、武者真紅主はSDコマンド戦記の舞台であり遠い未来にマゼラン大陸と呼ばれる地域の出身とされる(他に#他シリーズとのクロスオーバーの節に詳しい)。なお、ガンドランダーシリーズにおけるガンドランド大陸はこれに当てはまらない[9]

異世界[編集]

神々(結晶鳳凰・暗黒鳳凰等)や異世界人が治める、天宮・異国とは異なる世界。

天の島(てんのしま)
宇宙空間に点在する巨大な浮遊物体。「七人の超将軍編」では闇軍団の質量兵器として用いられた。その正体は古代錬金術師達が作り上げたスペースコロニー群である。
是断の門(ゼダンのもん)
堕悪闇軍団が利用し、武者頑駄無の国を襲った小惑星。超時空転移装置(ぶっとびシステム)を備え、天馬の国と天宮を繋ぐ一因となった。
無者の月(デスムーン)
天宮上空にある破異武立闘(ハイブリット)の本拠地。
天界(てんかい)
結晶鳳凰が住まう神の国。天空武人と呼ばれる神々と天界武者が住む。地上の争乱に対して不干渉を原則とするが、天空武人の使者や古代の遺産を通じ支援を行うこともある。天界武者の中には地上で功績のあった武者が転生した者もいる。SD戦国伝世界と地続きである『騎士ガンダム』世界における「天上界」との関連は不明。
魔界(まかい)
天界と対立する魔族の国で、暗黒鳳凰が治める。黒魔神など闇の一族の故郷で魔物や魔界武者が住む。魔星頑駄無など闇の力を持つ武者が契約や転生をする事で魔界武者となる(生粋の者は魔神と呼ばれる)。天界同様に、『騎士ガンダム』世界との関連は不明。
天馬の国(ペガサスのくに)
「武者○伝」以降の主要な舞台。天宮とは異次元にあり、天宮側からは天馬の国と呼ばれるが、当地では日本と呼称される。錬金術発祥の地と推測されている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 コミックボンボン編集部編『SDガンダムクロニクル SD戦国伝 武者英雄譚』講談社、2007年、144-148頁。
  2. 2.0 2.1 やまと虹一「やまと屋ブログ堂」 2007年。
  3. 電撃オンライン「『ガンダム無双』完成試遊会開催! あの伝説のガンダムも姿をあらわした!メディアワークス、2007年2月23日。
  4. 公式には『SDガンダムフォース』と「SD戦国伝」系のストーリーラインとの関係性は不明である。同一世界であるラクロア(騎士の国)の設定が異なる事(「SDガンダム外伝」シリーズでは神であるスペリオルドラゴンが精霊である、騎士ガンダム世界を示す名が「スダ・ドアカ・ワールド」ではなく「ソラディオラーマ」である等)から、〈平行世界の中に存在する、もう一つの天宮・ラクロアが存在する世界〉とも考えられる。レイアップ/サンライズによるSD戦国伝シリーズの年表「天宮年表」にはSDガンダムフォースでの事件は記載されていない。
  5. 5.0 5.1 5.2 コミックボンボン編集部編『SDガンダムクロニクル SD戦国伝 武者英雄譚』講談社、2007年、163-164頁。
  6. 武者烈伝は武者七人衆編のリメイク作品であるため、武者烈伝の世界の歴史設定も武者七人衆編から派生した他のシリーズの設定に忠実である。この点について武者烈伝の世界が過去のシリーズと地続きの世界であると示す資料もある要出典が、2007年時点でのレイアップ/サンライズによる見解では武者烈伝は武者七人衆編および派生シリーズとは別個の時間軸上の物語とされている(別脚注参照)。
  7. この設定の後に、騎士ガンダムとサタンガンダムはスペリオルドラゴンが分裂した姿という設定が付加されたため解釈は複雑化している。諸説を統合すれば、戦国伝・外伝すべての世界を管理する12柱の神の中にスペリオルドラゴンという竜の神がおり、この神が地上の戦いに関与する為に頑駄無真悪参を仮の肉体として降臨し、諸事情でその体を善と悪──騎士ガンダムとサタンガンダム──の2つに分けた後に、それが元に戻った姿が現在のスペリオルドラゴンだという解釈がある要出典
  8. 『SDガンダム大百科』勁文社、1988年。
  9. 9.0 9.1 ガンドランダー#概要を参照。
  10. コミックボンボン編集部編『SDガンダムクロニクル SD戦国伝 武者英雄譚』講談社、2007年、20頁。
  11. 初代大将軍の血族である初代(四代目は養子)、新生大将軍から曾孫の新美駆鳥大将軍までの二代目、現在のファースト大将軍から武者○伝の大将軍(名称不明)の計三代が確認済み。刕覇大将軍についてはファースト大将軍と直接の関連は不明
  12. 12.0 12.1 コミックボンボン編集部編『SDガンダムクロニクル SD戦国伝 武者英雄譚』講談社、2007年、132-139頁。
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