慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス

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慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスは、神奈川県藤沢市遠藤5322番地に所在する慶應義塾大学キャンパスである。1990年に開設された。略称はSFC。

概要

学部は総合政策学部環境情報学部看護医療学部、大学院は政策・メディア研究科、健康マネジメント研究科、中学・高校として慶應義塾湘南藤沢中・高等部が設置されている。

SFCは日本の大学の中で先陣を切って大学改革に着手し、その多種多様なアイディアはのちに多くの大学のお手本となった。1980年代終焉、明治以来の工業化=物的大量生産の時代が終わり、「脱工業化社会」・「第三の波」・「知価社会」を模索する中、設立された。画一的・単線的教育システムからの脱却を掲げ、語学教育や入試制度の改革などを行った。日本におけるインターネットJUNET)の起源として知られる。

特徴は、脳科学、身体科学、生命科学情報科学環境科学などと、テクノロジー(インフォメーションテクノロジー、空間情報技術、エレクトロニクスバイオテクノロジーなど)、デザイン(メディアデザイン、デジタルアート、建築・環境デザインなど)を駆使し、柔軟に人文・社会科学と融合させ、美術藝術分野まで幅広い複合領域となっている。

歴史

学問分野・研究機関

総合政策学部

  • 政策デザインの分野
    • (経済・財政、政治・社会、法律・制度)
  • 社会イノベーションの分野
    • (社会起業、ベンチャー・NPO経営、情報社会デザイン)
  • 国際戦略の分野
    • (国際政治経済、地域戦略、ヒューマンセキュリティ、言語コミュニケーション)
  • 経営・組織の分野
    • (経営戦略、金融工学、金融・評価工学、キャリア開発)
  • 環境ガバナンスの分野
    • (環境政策、都市・地域政策、居住・コミュニティ政策)

環境情報学部

  • 先端情報システムの分野
    • (インターネットシステム、基盤ソフトウェアシステム、ユビキタス情報システム、知的情報システム)
  • メディアデザインの分野
    • (音響・映像デザイン、プロダクト・ファッションデザイン、空間・コミュニケーション)
  • 先端生命科学の分野
    • (環境バイオ、バイオ医科学、ゲノム科学、システム生物学)
  • 環境デザインの分野
    • (地球環境テクノロジー、空間情報、エコロジー・ランドスケープ、建築・都市デザイン)
  • 人間環境科学の分野
    • (認知科学、スポーツ・スキル、人間工学、社会・心理)

GIGA プログラム

GIGA プログラム(Global Information and Communication Technology and Governance Academic Program) :
卒業に必要な単位を英語のみで修得

看護医療学部

  • 情報技術・自然言語の分野
  • 制度・倫理・社会の分野
    • ヘルスケア倫理学、社会福祉学、看護哲学、ヘルスケアと法、NGO・ボランティア論
  • ヒューマンケアリング及び看護理論・技術の分野
    • 基礎看護学、看護理論、健康教育学、ヘルスケア心理学、医療コミュニケーション、ストレスマネジメント
  • 健康科学・病態学及び人間発達学の分野
    • 解剖生理学、生化学・生理学、薬理学、生物・遺伝学、医学全般、母子看護学、小児看護学、成人看護学、高齢者看護学、スポーツ看護学
  • 臨床看護学及び先端医療の分野
    • 急性期看護学、慢性期看護学、終末期看護学(緩和ケア)、精神看護学、救命救急看護学、医療安全管理学、先端医療技術、遺伝看護学、助産学
  • コミュニティケアの分野
    • 地域看護学、公衆衛生学、在宅・家族看護学、国際保健学、学校保健学、産業保健学、環境保健学
  • 組織マネジメントの分野
    • 保健福祉行政、医療政策・管理学、医療経済学、看護経営・管理学

慶應義塾湘南藤沢中・高等部

男女共学中高一貫校。1年から6年までの余裕を持ったカリキュラムデザイン、大学の施設利用、授業連関など豊かな学習環境に恵まれている。

政策・メディア研究科

  •  プログラム研究領域:
    • グローバル・ガバナンスとリージョナル・ストラテジー(GR)
    • ヒューマンセキュリティとコミュニケーション(HC)
    • 政策形成とソーシャルイノベーション(PS)
    • 認知・意味編成モデルと身体スキル(CB)
    • 環境デザイン・ガバナンス(EG)
    • エクス・デザイン(XD)
    • サイバーインフォマティクス(CI)
    • 先端生命科学(BI)
  • プロフェッショナル育成コース:
    • 社会イノベータコース
    • ICT先端融合研究コース
    • 環境イノベータコース
    • グローバル環境システムリーダーコース
  • 社会人コース:
    • 在職したまま博士学位取得

健康マネジメント研究科

「健康」を軸として、看護・医療・スポーツに関わる幅広い領域において先導的な役割を果たす、学際的な教育・研究を展開

慶應藤沢イノベーションビレッジ(SFC-IV)

大学、地域、企業の協同のための施設。

  • 入居者一覧・事業内容

SFC研究所

研究活動、研究成果の社会との共有の機会として、毎年 Open Research Forum (ORF) を実施。

研究分野

  • キャリア・リソース・ラボ
  • インターネット・リサーチ・ラボ
  • ジオ・インフォマティクス・ラボ
  • システムバイオロジー・ラボ
  • Auto-ID ラボ
  • ユビキタスコンピューティング&コミュニケーション・ラボ
  • プラットフォームデザイン・ラボ
  • ヘルスケア・インフォマティクス・リサーチ・ラボ
  • ケータイ・ラボ
  • インタラクションデザイン・ラボ
  • 地域協働・ラボ
  • オープン無線プラットフォーム・ラボ
  • アジア政策・ラボ
  • 見える化・ラボ
  • 次世代 Web応用技術・ラボ
  • アグリインフォマティックス・ラボ
  • 電子自治体開発研究・ラボ
  • 日本研究プラットフォーム・ラボ
  • インターネットと社会・ラボ
  • 湘南音楽音響・ラボ

施設

  • キャンパスの設計は建築家槇文彦、キャンパス・デザインは日本の歴史的な学舎としての禅寺モチーフとしており、脇にが流れる石段山門本堂として中央に位置する図書館などがデザインされている。
  • 総合政策学部および環境情報学部の存在する通称「総環エリア」と、看護医療学部校舎のエリアに大別される。これらのエリアは藤沢市道遠藤宮原線を挟んで位置している。また、主に両エリアを行き来することの多い看護医療学部生の利便性のため、両エリアを行き来する循環バス「鴨池急行 SoKanKan」が運行されている。
  • キャンパス全体に無線LANネットワークが張り巡らされている。
  • 建築物にはギリシア文字の名前が付けられている。
    • 学部長室や事務室のある本館はΑ(アルファ)館、大学生協学生食堂のある厚生棟はΣ(シグマ)館。
    • 研究棟は「KEIO」にちなんだκ(カッパ)棟、ε(イプシロン)棟、ι(イオタ)棟、ο(オミクロン)棟。
    • 「language」にちなんだλ(ラムダ)棟、「Theater」にちなんだΘ(シータ)館、「Digital Science Laboratory」にちなんだΔ(デルタ)館。
    • クラブハウス棟(Φ棟、Ψ棟)の命名は少々強引で、東側が「ひがし」→「ひんがし」→「ふぃんがし」→「ふぃー(Φ)」、西側が「西」→「さい(Ψ)」。
  • 円形劇場を模した遊水地は「テアトロン」と呼ばれ、降水量が多いときに水没する。井関前総合政策学部長によって命名された。遊水地は他にガリバー池、大学グラウンド、多目的グラウンド(駐車場)の3つがあり、これらが満杯になった場合は地下タンクが使われる。

学園祭

七夕祭と秋祭(あきまつり)という二つの学園祭がある。

七夕祭

毎年七月の第一土曜日に開催される学園祭。SFCの学生有志による七夕祭実行委員会によって企画・運営されており、1990年キャンパス開設以来20年以上の伝統がある。発足当初は七月の第一金曜日の夕刻に開催されていた。

キャンパス内にはやぐらが組まれ、花火や縁日のような出店、御輿などの夏祭りを彷彿とさせるような企画を行っている。また、この学園祭の大きな特徴として、学生と地域との協力を重視している点、七夕祭当日には来場者の多くが浴衣で訪れる点が挙げられる。

秋祭

毎年十月に土曜日曜の二日間開催される学園祭。SFCの学生有志による秋祭実行委員会によって企画・運営されており、1992年より20年以上続いている。発足当初は藤沢市のイベントである藤沢市民まつりの一環であった。

そんな経緯もあり、七夕祭よりも幅広い地域や企業と協力しつつ、運営費集めている、より学園祭的なことが七夕祭との大きな違いである。

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスに関連する人々

政治家・社会運動家・実業家

研究者

クリエイター・デザイナー

俳優・歌手・芸能

アナウンサー

スポーツ

その他

アクセス

慶応大学・慶応大学本館前・慶応中高等部前下車 - 湘南台駅から約15-20分(直線で西に約3.5km)
湘25系統は急行系統で、連接バス(ツインライナー)によって運行
慶応大学・慶応大学本館前・中高降車場下車 - 辻堂駅から約25分

湘南台駅と同キャンパスを結ぶバス路線は恒常的な混雑が続くため、輸送力の増強が課題となっている。2005年3月14日からは高度道路交通システム(ITS)整備の中核として連接バスが湘25系統として同区間に導入されるとともに、慶応大学バス停(ターミナル)で接続して藤沢市西北部方面に向け運行される支線バス「ふじみ号」の運行も開始され、同キャンパスは地域の交通結節点ともなっている。

また、長期対策としては相鉄いずみ野線の延長が検討されている。相模鉄道は湘南台駅からJR東海道線平塚駅までの免許を所持し、2010年からは同社と神奈川県・藤沢市・慶應義塾大学(総合政策学部長が出席)との四者による「いずみ野線延伸の実現に向けた検討会」が組織されている。現在は湘南台駅から同キャンパスまでの区間を第一期、そこからJR相模線倉見駅までの区間を第二期としての整備が検討され、いずみ野線との直通を前提とした鉄道方式、あるいは低予算で整備可能なLRT方式による整備が議論されている。

関連項目

外部リンク

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